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落花

としどし桜の楽しみ方も違う。
特に今年はまだ気配も見えない曇天の鹿児島から降り立った東京が
もう爛漫の四月一日だったので、
額にぽんとピンクの印を押されたような猫だましを喰らったような、
そんな思いで今吹き散る花びらを眺めている。
後輩扱いさせてもらっている某先生は灰色のひと、
いつもこの詩が浮かんでくる。あはれ花びらながれ/をみなごに花びらながれ/
をみなごしめやかに語らひあゆみ...をみなごは今どうでもよいのだが、
薄紅の桜の花びらが散って積もって流れて、流れたその後のただ灰色の石の上に、
紅の幻がくっきり映る。
そしてひとりなるわが身は影をあゆまする甃のうへ。
こんな春のメランコリーを手当てするなら、
例えばユーミンの「リフレインが叫んでる」だろうか。
最後の春に見た夕日はうろこ雲照らしながらボンネットに消えてった―
しかしこれは四季ごとに自作を割り振った『Seasons Colours』でも
《Autumn》に収録されているように、秋の歌なのですね。
大昔非常勤先で渡された一般教養のテキストに「母よー/淡くかなしきもののふるなり/
紫陽花いろのもののふるなり」から始まる同じく三好達治の「乳母車」の、
設定されている季節を答えよという問題が載っていて、これも正解は秋なのであった。
われをのこ今歳不惑、春秋は富むか高いかあるいは今まさに盛んなるか。
自分の年齢に千円札を掛けた金額を持ち歩けと山口瞳がむかし言っていたが、
とりあえず水二本生協のカウンターに持って行って
すごすごそのまま引き返すようなことは今後避けたい。

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  • 2017.09.11 Monday
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